リュネビル刺繍とは?特徴・難しさ・必要な道具を初心者向けに解説

リュネビル刺繍と聞いて、「どんな刺繍なの?」「なんだか難しそう」と思う方は多いのではないでしょうか。私もそうでした。

はじめまして、Ayaです。フランス刺繍を楽しんでいて、YouTubeでリュネビル刺繍の動画に出会ったことをきっかけに、現在はリュネビル刺繍をメインで学び楽しんでいます。

この記事では、これから始める人向けにリュネビル刺繍の概要と特徴、フランス刺繍との違い、難しさ、必要な道具、始め方の流れをまとめました。(2026年10月時点)

リュネビル刺繍とは?

リュネビル刺繍は、ビーズやスパンコールを専用の「フック」で生地に留めていく刺繍で、光を反射してきらきらと輝く華やかな仕上がりが特徴です。

フランスのリュネビルで生まれた、ビーズとスパンコールの刺繍

リュネビル刺繍は、フランス・ロレーヌ地方の町、リュネビルで発展した刺繍です。

18世紀後半に、この町に刺繍職人が集まり、1810年ごろに、薄いチュールにチェーンステッチで刺繍をする技法が生まれたとされています。

その後、1865年ごろに、地元の刺繍職人がビーズやスパンコールを加えるようになり、華やかな装飾として広がりました。このとき使われた専用のフックは、「リュネビルのフック(クロシェ・ド・リュネビル)」と呼ばれています。

参考:TRC Needles「Luneville Embroidery」(Textile Research Centre, Leiden)

針ではなく「フック」を使って、チェーンステッチの要領で刺す技法

リュネビル刺繍は生地の裏側から、フックで糸を引き上げながら、チェーンステッチ(まるで鎖のような縫い目)の要領で進める技法として紹介されています。

私が最初に見たのは、表側から刺す方法を紹介している海外の動画でした。

興味を持って調べるうちに、一般的には裏側から刺す方法が多いと知りましたが、今のところは、表側から刺して、ビーズも表から留める方法で楽しんでいます。

※本や動画などで、基本の方法もあわせて確認してみてください。

オートクチュールの世界で使われてきた歴史がある

リュネビル刺繍は、ドレスなどを仕立てるオートクチュールの世界でも使われてきた技法です。ビーズやスパンコールを多用した服や装飾品がフランスで求められ、リュネビルの刺繍は大きく栄えたそうです。

リュネビル刺繍の特徴と魅力

リュネビル刺繍を楽しむ中で、私が魅力的に感じた点をご紹介します。

面をスピーディに埋められる

フランス刺繍も楽しんでいる私が、実際にやってみて一番感じたのは、面を埋めるスピードの違いです。とくにビーズを使うリュネビル刺繍は、糸だけで面を埋めるフランス刺繍よりも、早く進むと感じました。

ビーズやスパンコールは、一つひとつにある程度の大きさがあるので、糸だけで細かく埋めるよりも、少ない動作で面が埋まりやすいと考えられます。広い面のある作品でも、見栄えのする仕上がりを目指しやすい点は、魅力のひとつです。

きらめきと立体感が出る

ビーズやスパンコールが光を受けて、糸だけの刺繍とは違うきらめきと立体感が生まれます。

ビーズには、丸いもの、筒状のものなど、形や大きさ、色、つやの異なるさまざまな種類があります。スパンコールにも、平らなものや、カップ状にくぼんだものなどがあります。これらを組み合わせると、光の当たり方で表情が変わり、同じ図案でも、まったく違う印象に仕上がります。

素材の種類については、別の記事で詳しく紹介する予定です。

薄い生地にも刺せる

リュネビル刺繍は、チュールやオーガンジーのような、繊細で薄い生地に刺されることが多い技法です。はじまりも、非常に薄いチュールにチェーンステッチで模様を施す技法だったとされています。

透け感のある生地に、ビーズのきらめきを重ねられるので、ドレスやヴェール、ストールなど、軽やかさを生かした作品にも向いています。ただし、薄い生地は扱いが繊細なので、はじめは練習用の生地で試すと安心です。

小さな作品(ブローチ・ピアス)から始められる

ブローチ、ピアス、ヘアアクセサリー、洋服のワンポイントなど、小さな作品でも華やかに仕上がります。

小さな作品は、必要な材料が少なく、完成までの時間も短いので、はじめての方でも、達成感を得やすいのが利点です。基本の動きを練習する場としても向いているので、最初の一作に選ぶ方も多いと思います。

フランス刺繍・ビーズ刺繍との違い

同じ刺繍でも、フランス刺繍やビーズ刺繍とは、道具や刺し方が異なります。

違いを表にまとめました。

項目 フランス刺繍 ビーズ刺繍 リュネビル刺繍
道具 刺繍針 ビーズ針 専用のフック
刺し方 針を表と裏に通して、糸で模様を描く ビーズを一粒ずつ、針と糸で縫い留める 一般的には、生地の裏側から、フックでチェーンステッチをしながら進める
素材 刺繍糸 ビーズ・糸 ビーズ・スパンコール・フィラガン糸
仕上がり 糸の質感を生かした、やわらかい印象 ビーズが並ぶきらめきのある印象 ビーズやスパンコールが連なる華やかな印象

リュネビル刺繍は、ビーズやスパンコールをチェーンステッチの流れで留めていけるのが大きな特徴です。

フランス刺繍やビーズ刺繍の経験があっても、フックの扱いは別の技術として練習が必要です。

リュネビル刺繍は難しい?初心者でもできる?

「難しそう」と感じて、始めるのをためらっている方も多いと思います。私が実際に始めて、どこでつまずき、どうやって進めたのかをお伝えします。

難しく感じやすいポイント

リュネビル刺繍で難しいと言われやすいのは、次のような点です。

  • 一般的な方法では、裏側から刺すため、表側の仕上がりが途中で見えにくい
  • フックを生地に刺し、引き抜く動きに慣れが必要
  • 糸の引き加減によって、縫い目の大きさや仕上がりが変わる
  • ビーズやスパンコールの扱いに、手間がかかる

どれも、練習を重ねることで少しずつ慣れていく部分です。

私の場合、表から刺すことで仕上がりを確認しながら進められるようにしています。

私がつまずいたこと:フックが生地に引っかかる

最初につまずいたのは、フックを生地から引き抜くときに、引っかかってしまうことでした。何度も引っかかって、思うように進められませんでした。

慣れるまでのコツ

はじめての方は、次のポイントを意識すると進めやすくなります。

  • 生地を枠にしっかり張る:たるみがあると、作業しにくくなります。
  • 練習用の生地で試す:作品の生地を使う前に、動きを確認します。
  • 直線から曲線へ:簡単な形から、順番に進めます。
  • 小さな作品から始める:完成までの時間が短く、達成感を得られます。
  • 動画で手元の動きを確認する:フックの動かし方は、動画のほうが伝わりやすいことがあります。

私が取り組んだ練習の順番

焦らず、段階を分けて練習したことで、少しずつ慣れることができました。

  1. 糸を使わずに、フックを刺して引き抜く練習:まず、引き抜く動きだけを繰り返しました。
  2. 糸を使って、直線を刺す練習
  3. 糸を使って、曲線を刺す練習
  4. ビーズを使った練習

一度に全部をやろうとせず、「引き抜く」「糸を使う」「ビーズを使う」と、分けて練習したのがよかったと感じています。

リュネビル刺繍に必要な道具(概要)

リュネビル刺繍には、次のような道具と材料が必要です。

  • フック(針):刺していくための専用の道具です。
  • 糸:フランス刺繍とは違う種類のフィラガン糸を使います。
  • ビーズ・スパンコール:刺繍の主役になる材料です。
  • 生地:チュールやオーガンジーのような薄手の生地が使われることが多いです。
  • 刺繍枠:生地を張って固定するために使います。

道具のそれぞれの選び方や、私が使っているものは、以下の記事で紹介しています。

【内部リンク:「リュネビル刺繍に必要な道具」】

キットから始めるという選択肢

道具や材料がセットになったキットなら、何を買えばよいか迷わずに始められます。

キットには、フックや糸、ビーズ、生地、図案などが含まれていることが多いので、選ぶときは内容と初心者向けかどうかを確認しましょう。

リュネビル刺繍のはじめ方(流れ)

おおまかな流れは次のとおりです。

  1. 道具と材料をそろえる
  2. 生地を枠に張る
  3. 糸を使わずに、フックの動かし方と引き抜き方を練習する
  4. 糸を使って、直線や曲線を刺す
  5. ビーズを使って刺す

私は、この順番で練習しました。具体的な刺し方は、こちらで解説します。

【内部リンク:「基本のチェーンステッチのやり方」】

リュネビル刺繍の学び方:本・動画・教室

動画で学ぶ

私は、YouTubeでリュネビル刺繍の動画に出会って、始めました。

フックの動かし方や手元の動きは、文章よりも動画のほうが分かりやすいと感じています。

動画を見ながら練習の際、私は「小さな手芸屋さん」のYouTubeを参考にさせていただきました。

こちら、手芸用品も営んでおり、刺繍に必要な道具も取り扱っている素晴らしいお店です。
参考:小さな手芸屋さん

本で学ぶ

本は、工程が写真で載っているので、手を止めて何度も見返せるのが利点です。図案が載っている本もあります。

キットを購入して作品を作る場合は、作成手順も載っているので自分のペースで確認しながら進められるのが強みです。

刺繍教室で学ぶ

手芸教室やワークショップ、オンライン講座で、リュネビル刺繍を学べる場合もあります。

講師にフックの持ち方や手の動きを直接見てもらえる、疑問をその場で質問できる、といった利点があります。

一方で、開催地域や回数が限られていることも多いので、日程・費用・通いやすさを事前に確認しましょう。通える範囲にない場合は、オンライン講座を探すのも一つの方法です。

よくある質問

ふつうの刺繍針でもできますか?

リュネビル刺繍は、専用のフックを使う技法です。ふつうの刺繍針とは道具が異なるため、フックを用意するところから始めましょう。

独学でも始められますか?

独学でもリュネビル刺繍は始められますし、楽しめます。私も、動画を見ながら独学で始めました。

費用はどれくらいかかりますか?

糸や生地、ビーズをどれだけ集めるかは人それぞれですが、私は初期投資に1万~2万円ほど使用しています。

※ビーズをたくさん買ったので、少なめにそろえれば、もっと抑えられると思います。

フランス刺繍の経験は必要ですか?

必須ではないと考えています。

フランス刺繍とは違う動き(フックに引っかける、チェーンステッチを作る、引き抜く)が必要になるので、経験の有無に関わらず、最初は練習が必要です。

編み物や手芸に慣れている方は、手の動きをつかみやすいかもしれません。

まとめ

  • リュネビル刺繍は、専用のフックで、ビーズやスパンコールを留めていく刺繍です。
  • フランス刺繍と比べて、ビーズを使うと面を早く埋められると感じました。
  • つまずいたら、「引き抜く」「糸を使う」「ビーズを使う」と、練習を分けるのがおすすめです。

次は、道具をそろえていきましょう。

【内部リンク:「はじめてのリュネビル刺繍に必要な道具」】